近況

昨日は大学の授業だったけど、時間を見つけてはレッド・ベルベットの2巻のあとがきを書いていた。文章を書くのは嫌いじゃないけど、毎度毎度恐ろしく時間を食ってしまう。言葉を何度も置き換えて、語尾の調子も考え、漫画と同じに淡々と書くことを目標にしている。今日は学校が休みで朝から美術展に行き、漫画の作業をしていた。9月の中頃からこっちは週に三日か四日は学校がある。特に大学は通勤時間が長く、朝8時に家を出たら帰宅は夜の9時だ。家に帰り着くとソファに座ってぼんやりしてしまい、何もする気が起きない。それでも幸せなんだって思う。絵を描く仕事ができるんだから。私にはできないことや苦手なことが多くて、事務仕事や計算、飲み会に参加することなどは避けるか先延ばしにしてしまう。今は周囲の人の助けのおかげで、苦手なことから逃げることができている。助けてもらって本当にありがたい。今月はすることがかなり多くて、ギャラリーの仕事や単行本のプロモーションのための細かい用事もある。単行本を買ってくれる人がちょっとお得したかもって思えるようなアイデアを出して、担当さんや周囲の人がそれに力を貸してくれているからきちんと納期を守ってやらなくちゃいけない。雑誌で漫画を連載するのはずっと願っていたことだけど、今の世の中では紙だけで勝負するのはとても大変だ。インターネットの力を借りないのは手紙をボトルに入れて海に流すのと同じ。届いて欲しい人のところに届くとは限らない。誰が読んでもわかりやすい漫画が描ければいいんだろうな、って心から思う時がある。月の半分は気持ちが沈んでメソメソして、日記に悲しげなことばかり綴っている。漫画を描くはとても孤独だって、先月おかざき真里さんと対談の時に話した。ツルが反物を織ることに例えると、イラストは手拭いくらい、漫画はペルシャ絨毯を織るくらいの孤独な時間が必要だ。孤独は自信を無くさせる。自分は価値がないって思ってしまう。今日はちょっと憂鬱だけど、来週はきっと元気でいると思う。今はしょうがない。

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いただいた手紙のこととか漫画のこと

Twitterでもちょっと書いたけど(twitterにはちょっとの文字しか書けないけど)アンケートやお手紙を編集部から送っていただいて、読んでは、励みにしながら次の漫画を描いている。便箋は今はどこでも買えるけど、それに文章を書き連ねる労力は計り知れない。更に切手を貼って投函する。申し訳なくてたまらない。本当にありがたい。Twitterやinstagramでもレスを頂く。極力返信するようにしている。おはようって云われたらおはようって返さなくちゃ。知らない人に手紙を書いたり、レスを送ったりするなんて勇気の要ることだと思う。通販の時にメッセージを書いてくれる方もいる。重くならない程度の返信を心がけている。

遠い昔の話になるけど、私はよく学校でいじめられていた。いじめられていたというより、人との接し方が下手でわがままだったんだと思う。面白くないヤツだったんだ。母親からも一言多いと云われてた。そんな自分が嫌いだし、今でも誰かと会って話すと帰り道で落ち込んでしまう。がっかりさせてしまったと後悔する。もし作品が自分の理想だとしたら、私はあまり話さない人を描きたい。そうありたかったから。キャラクターについてを全く語らないのも同じ理由。みっともないって思ってしまう。みっともないって云うのは、父親が私によく云った言葉だ。父親のことも母親のことももう何も恨んでない。ただ云われたことを時々思い出す。うまくやれたら褒めてくれたのかなって。

夜が遅いから、誰もこの日記を読んでないから、自分の作品の話をさせて。レッド・ベルベットは次で12話目。もう1年も描いてる。奇跡だ。順調なら2巻は12月に出る。前回入れられなかった書き下ろし漫画がシナリオまでできてるから入れたいんだけど、ページに余裕がないそうだ。無念。でも描く。どうやって読んでもらうかは後で考える。本当はレッド・ベルベットのキャラクターの絵なんか描いてTwitterなんかに上げたいんだけど、気が引ける。どうしてなんだろう。今まで描いた漫画のキャラクターを漫画作品の中以外で描くことは決してしなかった。そう云うことはみっともないと思ってた。訊かれなければ語りもしなかった。でも、ほら、日記になら描いてもいいかな。誰も見てないし。きっと。今まで描いた漫画の中で好きだったキャラクターはアルヴァロって男の子だった。ベースボールキャップをかぶっていたと思う。漫画のタイトルも忘れたけど。あと、テディベアって漫画に出てた男。これは名前を忘れた。口のうまい嘘つきの泥棒。

話しすぎた。終わらなくちゃ。

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レッド・ベルベット 1 刊行とお礼

4月23日に現在連載中の作品のレッド・ベルベットの1巻が出ました。雪風にも1って付いてましたが、正真正銘の2巻目のある1巻は今回が初めてです。感慨深いです。雪風も2を出したいですね。実はエル・ディアブロと、エンブレイスと、アポロジーってタイトルの漫画がまだ単行本になっていません。前の二つは最後の1話が描けてなくて、アポロジーは全ページフルカラーで完結しています。いつか出せるのかなって思います。それは置いておいて、レッド・ベルベット1を買ってくださって本当にありがとうございました。サイン会にいらしてくださったり、アンケートハガキを書いてくださったり。ツイートを読みにきてくださるだけでも十分に支えになってくれています。何にもしなくても思っていれば届くんだって私は信じているので、そういう見えないものを感じて幸せでいられます。あんまりたくさん落書きもあげられなくなってしまったけど、今やれる最大限まで描いているので気長に見守ってやってください。

連載は多分、昨年の10月くらいから始めている。もう9話まで描いた。最初にどんな話を描けばいいのかちょっと悩んだ。でも、久しぶりに雑誌に載ってる漫画を読んだら作風も画風も変わってるって、寂しく感じて欲しくなくて、いつも通りに描くことにした。ちょっとはウケたい気持ちもあったけど、どうやったらそれができるかわからなかった。毎月の困りごとは、お話を作る手順が多すぎて時間がかかってしまうこと。資料を調べる時間があまり取れないこと。以前に描いたところを見返す勇気がなくて、ずれたり合ってなかったりしないか不安なこと。レイアウトを作るのにも時間がたくさん必要なこと。楽しいことは、やっぱり漫画が毎月描けることに尽きる。イラストを描くより漫画を描く方が好きみたい。唐突だけど、夏の同人誌が出せるなら、続き物の漫画を描きたいと思ってる。同人誌でも漫画が描きたい。イラストの本と漫画の本を交互でもいい。漫画だったら、家に持って帰って、読んで、いろいろ思うことができるから。お話だけ作って描いてない漫画もある。フルカラーの漫画にするつもりで、ちょっとお話が気に入ってる。お話ができてたら8割は完成している。それも描きたい。あまり欲張るのは良くないけど、漫画を読んでもらえると何かが伝わる気がして、なんだか気が急いてしまう。最近は私にしてはたくさん描いていると思うんだけど、足りない気がして。

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骨身を削って漫画を描いているようでは向いていないのかな・・・

時々迷う。自信をすっかり失ってしまう。お話を作るのには本当は一ヶ月かかる。今は半月でなんとかやっている。絵を描くにも時間がかかる。どんなコマでも全身描くようにしている。デッサンがうまく取れないからだ。手足が見切れる時は枠の外まで描かないと必ず絵が崩れる。漫画に向き合おうと誓ってからは、読む人に私の作品をを初めて知ってもらうような気持ちで描いている。漫画もイラストも。胡座をかかないよう、寄りかからないよう常に釘を刺している。今はちょっとだけ辛い。ちょっとだけ。昨日は対談があって夜に急いで戻って描きかけのカラーの絵を仕上げた。線画が下手でいつも何日もかかってしまう。描いたり消したりを何度も繰り返して気が遠くなる。朝見直して提出して晩御飯の用意をして、昼はシナリオを書きに出る。夜はまたイラストを描く。2時かそこらまで。寝る時は布団の中で目を閉じて漫画のために映像を作る。すぐ寝てしまうから1時間もやれないけど大事な時間だ。明日は8時くらいには家を出てシナリオの続きを作りたい。

今日あったいいことは雨が降ってたことかな。春らしい暖かさで時々強く降ったり止んだり、とにかく一日中降ってたようだ。歩く人の春物のコートが濡れているのも、急に強く降られた人が逃げて雨宿りするのも、雨が日没時間の夕闇を煙らせるのも、信号機の点滅が夜の濡れた路面に映るのも、何もかも好きだった。空気が湿気を含んで、まるで誰かにずっと寄り添ってもらっているように感じる。字を書くのはここまで。絵を描く。一本でも多く線を引く。私は弱いから、すぐに怠けちゃうから。

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2月22日、6話目発売です。寺田克也さんと対談しました

モーニングツーが発売です、2月22日に。レッド・ベルベットの6話目が載っています。寺田克也さんとの対談記事もあります。

2016年9月の日記で神様と仲直りしたと書いてからずっと、絵は描き続けている。漫画も描いている。モーニングツーの連載作品をを読んでくださっている人が、展開が暗くて、あまり救いがなくて、気が重くなってしまうようなら本当に申し訳ないと思ってる。小さな幸せが好きなのでどうしてもそうなってしまう。でも、この世のどこかでまっすぐに生きられなかった人達が見つけて読んでくれたらいいなって。特に若い人で、感受性の強い人は是非読んでほしい。ここから読めるから。イラストを見て気になってる人は読みに行って。ちょっと読みにくいけど、共感できたらそれは、選ばれし者の証だから、たぶん。

大学にはもう10年いる。生活を安定させるために大学で勤め始めた。往復4時間の通勤時間は怒りを覚えるほど長くて無駄な時間だと何度でも思う。それでも大学には感謝している。無理もきいてもらったし、たいそう好きにもさせてもらった。入試や懇談の後の静かな研究室で一心不乱に漫画を描くのが好きだった。校内にある図書館で、古い建物の本を見たり、エンブロイダリーの本を読んだり、時々、地球の歩き方を貸し出してもらって、旅行に持っていくのも好きだった。大きくて匂いの良いローズマリーの木があって、枝をくすねて帰っては鉢植えで増やしたりもした。食堂は大嫌いで、ここ数年は足も向けなかった。紙カップのコーヒーマシンを撤廃したことを今でも恨んでいる。思い出話のように書いているけど、それは春休みで大学から遠ざかっているからだろう。教えることも学生と話すことも好きだったのに、通勤と雑務と会議には10年経っても慣れない。10年慣れないってことは向いてないってことなのかもな。人ごとのように感じるのは心が離れてしまっているからかもしれない。腹を立ててるくらいの方がまだいいのかも。

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